新人研修は、どんな内容をいつやれば良いのか?
毎年4月には、多くの企業で新入社員研修が実施されます。その内容については、企業様ごとに様々な工夫を凝らして実施されています。今回は、そんな新入社員研修について、どんな内容を実施すれば良いのかを中心にご紹介します。
■ 新入社員研修の内容は、ビジネスマナーと仕事の進め方でいいの?
新入社員研修といえば、真っ先に思い浮かぶのがビジネスマナーです。身だしなみや言葉使いなど、必要最低限ビジネスパーソンとして身につけて欲しいことを習得してもらいます。
このビジネスマナーですが、企業ごとに求めるレベルは違うので、自社にあったレベルで実施する必要があります。例えば、接客業であればビジネスマナーもかなり高いレベルが求められますが、まったく外部の人と接点が無いようなお仕事の場合、社内でのコミュニケーションが円滑になるレベルのビジネスマナーが求められます。
ビジネス文章等も同じです。社外向けの文章と社内向けの文章は違います。新入社員研修も、自社の業務にあわせて微調整を行うことで、より効果的な研修になります。
仕事のやり方も、実務に即した内容で習得させるべきです。外出の多い営業と内勤で営業活動される方だと、仕事の進め方や管理の仕方も違います。一律に汎用的な仕事の進め方を習得させても活用の場面がなければ学んだスキルも忘れてしまいます。
ビジネスマナーや仕事の進め方は、実務に即したやり方に合わせることでより高い成果が期待できます。一方で、ほとんどの組織で汎用的に最初に身につけると良いスキルがあります。それは、コミュニケーションスキルです。組織で仕事をする以上、自社および外部の方とコミュニケーションを取りながら業務をこなしていきます。日々コミュニケーションの積み上げが業務を円滑に進めていき、企業活動を成功へと導いていきます。
■ 新入社員が習得すべきコミュニケーションスキルは、報連相と質問力
コミュニケーションスキルは、組織で仕事をする上で必須のスキルです。組織では、それぞれの立場で求められるコミュニケーションスキルは違います。新入社員であれば、まずは組織の一員として認められるためのコミュニケーションスキルが求められます。
ビジネスマナーももちろんそのコミュニケーションスキルの一つです。それ以外に是非身に付けてほしいコミュニケーションスキルが、いわゆる報連相のスキルです。報告・連絡・相談といった基本的なコミュニケーションができると、上司や先輩も新人が今何をしているのかが把握できるので組織とてしても安心して業務に集中できます。この報連相は、新入社員研修で是非取り入れていただきたいコミュニケーションスキルの一つです。
そして、もう一つ取りいれていただきたいのが、質問力です。新人は、先輩から指示を受けると「わからないことがあったら質問して」と言われるのですが、そもそも何を質問していいのかわからないことが多いようです。また、質問しても、質問の意図がわからず先輩方がイライラしてしまう場面も少なくありません。新入社員のうちから的確な質問ができるようになっていれば、実務で悩む場面も減っていくことでしょう。その結果、質問自体も減っていき、質問を受ける先輩の時間も少なくなり、全体の効率化にも繋がります。先々を考えても、質問力は早めに習得させたいスキルの一つです。
■ 新入社員研修は4月にこだわる必要はありません。
新入社員研修といえば4月から6月ぐらいまででしょうか。この時期は、どこも新入社員研修を実施しており、私たちもいわゆる繁忙期になります。しかし、内容によっては、4月にこだわることは全くありません。例えばビジネスマナーは、頭で理解しても実行できなければ意味がないですし、実行時点で忘れていても使えません。
研修のカリキュラム上、4月の頭にビジネスマナーを実施し、6月末まで実務での経験を積ませるために現場研修をしたり、技術研修をしたりする企業があります。その場合、配属の直前に再度ビジネスマナーや仕事の進め方を習得できる機会を設けることをお勧めします。この時期の研修は、座学ではなく実務を経験できるような研修がお勧めです。
例えばビジネスの場面を擬似的に体験できるビジネスシミュレーションなどが効果的です。このビジネスシミュレーションは、実務に即していればいるほど効果が高まりますので、実施する時は可能な限り実務に近い形で実施できるように調整しましょう。
また、新入社員が研修を終えて実務に配属されたら、半年から10ヶ月程度を目処にフォロー研修を実施しましょう。これは、いわゆるPDCAを新人の頃から体験させ、振り返りと改善の必要性を理解させるのに効果的です。時期としては、1月から3月に実施すると、4月から入社してくる後輩を意識して初心を思い起こさせることができると思います。
以上、今回は、新入社員研修について事例をご紹介させていただきました。新入社員研修は、新人が会社を知る最初の機会です。自社にあった内容の新入社員研修を実施することで、自社を牽引してくれる新人に育て上げていってください。