初めて研修担当者になった時に確認してほしいこと
初めて研修担当になられた方、右も左もわからず悩んでいませんか?
もともと人事部でお仕事されていた方なら多少は研修に携わっていたことはあるかもしれません。しかし、他部門から移動してきた方は、研修を受けたことはあっても、運営したことはないので何から手をつけていいかわからないと思います。
今回は、そんな初めて研修担当になった方へ、研修構築の前に確認してほしいことについてお伝えします。
■ 研修の成果は、企業理念の実現の第一歩である
まず、どんな研修が必要かを考える前に、自社の経営理念を確認してください。企業理念もしくは、ビジョンと表現されているものです。もし見当たらないということであれば、社長の言葉でOKです。
なぜ、企業理念やビジョンを確認するのかというと、企業の目的は、その理念を達成することだからです。
理念やビジョンを達成するために組織は構築され、事業を行なっています。研修の成果の一つは、企業理念を踏まえ、事業を推進していく人材を開発することです。だとすれば、理念を抑えずに研修計画を立てても、方向性が合っているかわからず迷ってしまいます。
まずは、研修の成果であるゴールを確認するところから始めます。
■ 企業理念の実現に必要な要素を思いつく限りあげてみる
研修の成果は、ある意味人材育成を通じて企業理念の実現に近づけているか、という側面があります。
その企業理念に近づくために、個々人が身につけるスキルは何だと思いますか?
ここは、それぞれの担当部署で必要なスキルを思いつく限りあげてみてください。例えば、営業部門であれば、商品を説明するスキルや見積もりを作成するスキル、経理部門であれば、簿記の知識や、エクセルのスキルなどのように、まずは、型にとらわれずに思いつくままあげてみましょう。できれば、この時点で、関係部署に必要なスキルを聞いてみるのも良いと思います。
上がったスキルは、大きく専門的なスキルと汎用的なスキルに分けてみましょう。
専門的なスキルは、その職種特有のスキルです。情報処理のスキルや、経理の知識などがあたります。一方で汎用的スキルは、タイムマネジメントや、コミュニケーションなど、どの職種でも求められるようなスキルです。
■ 自前でできるものと外注しないと難しいものを切り分けてみる
先程の専門的スキルと汎用的スキルのうち、自社の取り組みの中で身につけるものはありますか?
例えば、OJTや現場研修で習得できるもの。これは、現状実施しているものですから、成果も確認しやすいと思います。もし、成果がわからないようであれば見直しをする必要があるかもしれません。たた、既存のものを改善していくのは、新任担当者には色々な意味でハードルが高いので、最初に手を付けるのはお勧めしません。
自社の取り組みの中で身につけることができない専門的スキルは、外部の機関でスキルを習得します。研修やビデオ講座など多くのものが用意されていると思います。これらは、膨大な情報の中から取捨選択をする必要がありますが、まずは興味があるものから体験してみると良いでしょう。人事担当者として、まずは受講してみると自社に合った内容か確認することができます。
最後に、汎用的スキルの中で、自社の取り組みの中で身につける方法がわからないもの。この部分は、自社に即した形で研修などを実施する必要があります。この部分は、専門家に頼ることをおすすめします。研修を実施している会社はたくさんあります。自社の理念を理解して、研修カリキュラムを考えてくれるところであれば、人材育成の効果も大きくなります。
まずは、自社の理念を理解して、研修会社に思いを伝えられるようになってください。