新入社員を迎えるにあたり現場に伝えてほしいこと
新入社員は、組織の宝物だと思いませんか?
まもなく多くの企業で新入社員を迎え入れます。人事部の皆さんにとって、
この時期は受け入れ準備で大変な時だと思います。
この時期にぜひ実践してほしいことを今日はお伝えします。
■ 新入社員が感じる入社初日の印象は一生モノです。
どんな方でも、人生を振り返った時に忘れられない思い出というものがあると思います。皆さんにとってその思い出は良いものでしょうか?それとも辛いものでしょうか?
学生時代の思い出で印象に残っているものというのは、イベントに関するものが多いのではないでしょうか。例えば卒業式。みんなとの別れや先生の言葉というのは、多くの方が覚えているものです。また、入学式や学園祭、修学旅行など、人によって経験は違えど、その言葉を聞くと何かしら印象に残っていることが一つ二つ思い出されるでしょう。
そこで質問です。社会人になって印象に残っている出来事を挙げてみてください。
どんな出来事が思い出されましたか?
昇格した時の喜び?
チームで成果をあげた時の打ち上げ?
人によって様々なシーンが浮かんだのではないでしょうか。
さて、その印象に残っているものは、皆さんの気持ちにどんな影響を与えていますか?
嬉しい出来事や楽しい出来事は、きっと今の組織で仕事がしたいという動機付けになっていませんか?
一方で、嫌な思い出がある組織だと、その時に戻ってまた同じ環境で仕事をしたいとは思いませんよね。
この印象に残っている「思い出」ですが、社会人になってからというのは、学生時代のように心に残るようなイベントに関するものはどうしても減ってしまいます。そもそも定期的な人生イベントは、企業の中ではほとんどありません。
生きていく上で良い思い出というのは、エネルギーになります。その組織で良い思い出があれば、多少辛くても頑張ってみようと思えるものです。みなさんも、この仲間がいるから頑張れる、とか、あの時のことがあるから今回はいつも以上に頑張る、といった経験をしたこともあるでしょう。
良い思い出は、辛い時や踏ん張らなければいけない時にとても良いエネルギーになります。
企業で仕事をしているとなかなかこの良い思い出を意図的に作り出す機会がありません。だからこそ、入社する時というのは、その良い思い出を作るのに最適な日になるのです。
入社日は、新入社員であれ、中途社員であれ必ずあります。この誰にでも訪れる日に、最高の記憶が残るように演出をしてあげるのも迎える側の仕事ではないでしょうか。
■ ありがちな入社日を最高の出来事にしよう
みなさんが入社して初めて出社した時に、社員の方から「とりあえずここに座ってて」と言われてしばらく放置されていたとしましょう。その時に、先輩社員の方は、周りで忙しそうに動き回っています。特に誰に話しかけられることもなく、席に座っています。
しばらくして、先輩がやってきました。先輩は忙しいのか「ごめんね、これを読んで待っててくれる?」と会社の規則の書いてある冊子のような書類を渡して去っていきました。しばらく読んでいましたが、読み終わって待っていると、また先輩がきました。「これから社内を案内するね」と一緒に社内を回ります。一通り社内を案内された後、「じゃあ今日パソコンの設定をしようか」と、今度は自分のパソコンの設定が始まります。しかし、この設定も、設定書類をみながら自分で実施するよう指示されました。先輩社員は、近くにいますが、忙しいので自分の仕事をしています。
設定が終わると、「今日は、初日だし、みんなの仕事を見ながら、全体のマニュアルを読んでてくれる?」と先輩の指示。そうこうしているうちに、気がつけば今日の勤務時間が終わり、「初日だし、今日は定時であがってね。また明日からよろしくね」と先輩の言葉。
新入社員研修をしっかり実施する日本企業では、もう少し丁寧だとは思いますが、中途入社だとこのようなやりとりはありがちです。
このような入社初日の出来事は、みなさんの印象にどのように残るのでしょうか?
良くも悪くも印象に残らないか、そもそもあっという間の出来事で何も感じないかもしれません。ただ言えるのは、とても良い印象で、一生の思い出に残るモノではない、ということだけははっきりしてしています。
では、どんなことをすれば良いのでしょうか。
■ 全員が主役だと感じるようにする
先の例で、ある入社日の1日を見てみました。入社した社員は、ほとんど誰とも接していません。紹介もろくにされていなければ、名前を呼ばれるようなことも、なかったのではないでしょうか?
もし入社初日にオフィスのドアを開けようとしたら、「◯◯さん!おはよう!今日からよろしくね」と会ったこともない(人事の方でない他の社員)が声をかけてくれたらどんな気持ちになるでしょう。しかも、一人ではなく、出勤する全ての社員が声をかけてくれます。
もし、あたなが会社のメールアドレスを初めて設定した瞬間、次のようなメールが最初に届いたらどんな気持ちになりますか?
〇〇さん 入社ありがとう!
〇〇さんと一緒に、この会社で世の中の幸せのために仕事ができることを
心より嬉しく感じてます。
これからは、一緒に悩み、一緒に喜び、ともに活動していこう!
◯◯株式会社 代表取締役 ◯◯
もし、新しいデスクに着席した時、職場のみんなから手書きの歓迎メッセージが置いてあったらどんな気持ちになりますか?しかもメンバーそれぞれの顔写真付きです。
もし、あなたが初めてオフィスに入る時に、職場の全員が立ち上がって拍手で迎えてくれたらどんな気持ちですか? もちろん全員心からの笑顔で喜んでくれています!(ちょっと恥ずかしいですかね)
ここに書いてあることは、特別な費用はかかりません。全ては気持ち次第で実行できます。
あなたの大切な身内が、こんなふうに企業に迎え入れてもらえたらどんなに嬉しいでしょうか。
難しく考えず、迎え入れる気持ちを行動に変えてみてくださいね。
今回は、新入社員を迎えるにあたってぜひやった欲しいことを書きました。せっかくの縁です。大切にしたいですよね。