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研修コラム

評価者の面談は、次年度の企業発展に重要な要素になります(2回目)

H&innovation staff

 評価者面談のポイントをお伝えしていますが、今日はその第2弾です(第1弾の記事はこちら)。上司から評価を伝える時のポイントについてお話しします。

話は、全体の背景から詳細へ

 評価面談というのは、前回お伝えしたように、企業が決めた期間の中でどのように活躍したかを評価対象者に伝えるために実施します。この企業が決めた期間の中での成果を確認し合うのですが、そもそも企業自体の成果はどうだったのか? この点を抜きに、評価面談を行うことはできません。
 そこで、まず企業としての成果を伝えることから実施します。

 企業の成果とは何か? これは一言で言えば、目的と目標の達成です。
 目的は、企業理念やビジョンなどに示されています。目標は、今期達成すると決めた数値化(もしくは定性化)されたものです。特に若手との面談においては、目的の再確認は重要です。自分たちの実施していることが会社の目的に合っているのかを定期的にチェックすることで、質の高い活動に繋がります。なかなか改めて考える時間というのは取れないものです。面談の機会をうまく活用して目的の確認を行ってください。

 その上で、今期の企業として目標達成状況を伝えます。ここは嘘偽りなく現状を伝えます。時折、事実を伝えると良くも悪くも相手が色々考えてしまうので、できる限り伏せておこうとされる方がいます。しかし、情報は可能な限り開示して共有することで信頼につながります。また、自分がこの後評価されるのに、そもそもその活動対象である企業の目標達成具合がわからないのでは、今後どう頑張ればいいのか考えられません。まずは、企業全体の成果から話してあげてください。企業全体の成果を話した後に、所属部署としての成果はどうだったのかを伝えます。数値的な目標設定がない部署であっても、どんなことができたのかは、面談者から伝えましょう。

 ここまでの全体説明をする時に絶対に言ってはいけない言葉があります。それは、「私はよくわからないんだけどね」という言葉です。組織の目標やその達成について説明する時に「自分はよくわからないんだけど、こうなっているみたいだよ」と人事のように発言する人がいます。これでは、説明責任を果たしたとはいえません。面談する時は、少なくとも自分の話は、自分がしっかりと理解してから説明しなけば、間に入って説明する価値がありません。もし、わからないことがあるのであれば、事前に上長に確認してから面談を実施してください。組織の思いや状況を説明するのは、上司の責任です。そこは忘れないようにしましょう。

評価の原則をおさえる

 評価の原則は、事実のみで判断するということです。特に、結果とプロセスは混同しないように注意が必要です。業績評価は、「できたかどうか」という事実を評価します。この時に「あいつは大変な状況で頑張ってたから、結果は出てないけど評価してやらないとな」と、プロセスでの努力を結果の評価に反映させてしまう方がいますが、これはだめです。業績はあくまでも結果のみで判断をします。プロセスで努力したとか、頑張ったというのは、行動評価で評価します。

 行動評価というのは、「期初と比較した期末の成長度合い」を評価します。今回の評価する期間において、どう行動したのかを見ていきます。評価期間内というのがポイントで、評価期間外は、今回は評価しません。例えば、「今期は、あまり努力してないけど、前期までは、3年間努力しまくったから、今期も少し大目に見ようか」と行動評価の範囲を広くしてはいけません。あくまでも評価期間外の行動を混同せずに、対象期間の行動のみで評価していきましょう。

自身の評価傾向を知っておく

 評価する時に、自分の癖を知っておくことで他の評価者と評価レベルを合わせることができます。評価の特徴には、いくつかありますが、例えば、ハロー効果というものがあります。ハローとは、後光がさすことです。本来関係のないものでも、目立つ特徴や結果があると、それに影響されてしまうことです。
 「先日のプレゼンがとてもうまくできていたので、今回のプロジェクトチームでもうまくチームをまとめてくれるだろう」とか、「彼は、お客様の評価が高いので、社内業務でもきっと成果を出してくれるだろう」と、評価対象意外にイメージが引っ張られてしまうことがありますので、注意が必要です。
 
 また、評価時に注意してほしい表現として「私はいいと思うんだけどね」という言葉は禁句です。これも先に述べたように、面談者が自分の言葉で話していない典型例です。評価者が自分の言葉でなく、他者の言葉で評価するのであれば、他者に評価面談して貰えばいいと思います。どんな状況であれ、評価面談する人は、(たとえ自分はもっと評価しているとしても)事前に出ている評価をしっかりと自分の言葉で伝えていきましょう。もちろん厳しいことを言わざるを得ない時もあります。その時は、この後のフィードバックで、相手の成長を促すコミュニケーションを取ることでフォローします。その意味で、評価面談は、最後はフィードバックでしめることになります。フィードバックのポイントについては、また別の機会にお伝えします。

 
 本日は、評価面談のポイントの続きをお伝えしました。評価面談は、ある意味企業発展のエンジンです。しっかりと基本を抑えて実施していける仕組みを作っていきたいですね。

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