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研修コラム

階層別研修(入社3年から5年目)におすすめの内容<基本編>

H&innovation staff

 階層別研修を考えなければならない人材開発部門の方は、どんな研修内容にしようか悩みは尽きないと思います。今回は、若手、特に入社3年目から5年目におすすめの基本的なカリキュラム内容をお伝えします。

①自分自身の仕事の進め方
(段取り、タイムマネジメント)

 入社して3年も経つと自分の仕事にも慣れてきて、仕事そのものが楽しくなってきているのではないでしょうか。一方で、慣れによる様々な影響も出始める時期です。最初は、何事も新鮮で、ワクワクしながら一つ一つ確認して仕事を行っていた方も、だんだんと自分なりのやり方をみつけて確認しなくても進められるようになっていきます。この自分なりのやり方を見つけられていることはとても良いことですが、確認をしなくなっている時は注意が必要です。ちょっとした確認(例えば、上司への確認)が疎かになると、気がつけば大きなトラブルになることはよくあります。

 若手の時期は、慣れてきた時こそ、一度仕事のやり方を振り返らせるとよいです。この仕事のやり方を見直す時に、合わせて「仕事の段取りのスキル」を身に付けさせてはいかがでしょうか?

 「段取りスキル」というのは、一言で言えば仕事を効率的に達成するためにスキルです。目的や目標の考え方、計画の立て方、周りとのコミュニケーションの取り方、計画の実行方法(修正方法)などが、段取りのスキル研修では、身につけられます。

 また、合わせて、「タイムマネジメント」もおすすめです。「タイムマネジメント」は、限られた時間の中で何をどの順番で実施するのかを決めるスキルです。言い換えれば、優先順位をつけるスキルともいえます。

 タイムマネジメントは、大きく2つの視点で確認します。一つは、1週間とか1ヶ月といった、日をまたぐ期間をどのように管理していくのかという点。この点は、とくに周りに影響を与えるものが多いので、計画の立て方よりも早め早めに修正するための管理方法などが重要になっていきます。また、もう一つの視点は、1日のスケジュール管理です。これは時間単位で管理していくもので、個々人の作業の進め方に影響を与えます。個人の作業の質を上げていくためのものでもあるので、とくに若手には必須のスキルだと考えます。

②上司とのコミュニケーションの取り方

 若手の悩みで多く耳にするのが、上司や先輩とのコミュニケーションの取り方です。忙しい上司にどのように声かけをしていいのかわからないといった、話しかけ方に対する悩み。また、上司から「話がよくわからない」と言われてしまうとか、「もっと端的に言いなさい」といった説明の仕方など、悩みは多種多様です。もし若手にコミュニケーションに関する研修を実施するなら、コミュニケーションの概要を理解してもらうことから始めましょう。そもそもコミュニケーションというのは、その構造上、考えていることが100%ズレなく伝わることはないです。この当たり前のことをしっかりと確認した上で、職場に合ったコミュニケーション課題を明確にし、研修を実施します。

 例えば、上司がいつも近くにいる職場とお客様先などに常駐していて上司が近くにいない場合では、課題が変わってきます。忙しい上司でいつもイライラしている上司と、穏やかな上司でも対応は変わります。また、報告の方法も職場によって違うでしょう。メールで報告する場合もあれば、直接会って報告する場合もあります。
 これらを同じように考えるのではなく、それぞれの場面ごとに「ここまで教えるの?」と思うぐらい丁寧にコミュニケーションの取り方をレクチャーすることが必要です。なぜなら、現代は、仕事を見て覚えることが様々要因から難しくなっています。言わなくても見ていればわかる、ではなく、あえて「こんなところまで教えるの?」と思うところまで丁寧に教えていくことで、その職場特有のコミュニケーションの取り方が理解できます。この職場特有のコミュニケーションが理解できないと、微妙な感覚のズレからその職場にいづらくなっていくということにもなりかねません。ここは丁寧すぎるぐらいが丁度良いと思ってください。

③今後のキャリア形成について考えてみる

 入社して3年から5年も経つと徐々に将来についても考えられるようになってきます。この時期に改めて自分のキャリア形成について考えることで、自分の課題も見えてきます。3年から5年というのは、1年目とは違い自分の成長を実感しづらくなる時期です。この成長を実感できなくなると、自分はまだまだなんじゃないか、とマイナスの思考が出てきて仕事に悪い影響を与えるかもしれません。
 ここからは、会社の中堅として成長していくんだぞ、といった思いを持ってもらうためにも、あらためて自分のキャリアについて考えてもらいましょう。

 キャリアを考えてもらうには、キャリア形成のフレームワークを活用すると良いです。闇雲に将来どうなりたいか?と聞くのではなく、フレームにあてはめながら整理することで、効率的に将来への思いを整理できます。時間のない中で、研修を実施しているのでしょうから、効率的に振り返りを実施しましょう。

 おすすめのフレームワークは、3つの視点(MUST やるべきこと、CAN できること、WILL 将来やりたいこと)で考えてみることです(3つの視点は、NEED、SEED、WANTSと呼ぶ場合もあります)。
 

 詳しくは、また別の機会に説明しますが、視点を広くもって考えてみるのに良いフレームワークですので、ぜひ実施してみてください。

 
 
 本日は、若手向けの階層別研修について、習得すべき基本的スキルをお伝えしました。若手は、これから会社の中心的存在になっていく人たちです。しっかりと育成して活躍してもらいましょう。

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