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新卒社員の早期離職に対して人事は何ができるか?

H&innovation staff

 

みなさまこんにちは。H&innovation株式会社の江藤です。

 さて、8月以降は、入社した新卒社員が辞めてしまうのが多い時期なのではないでしょうか。
早いと5月のゴールデンウィーク、4月入社から3ヶ月経った7月くらいで転職を考える新卒社員もいるのが現実かなと感じております。

 私自身が理事長を務めるNPO法人の支援者の中にも何人か退職をして転職活動を行なっている人もいます。ミスマッチもあったりすれば新卒社員の能力不足もあったりと早期離職は様々な状況が絡み合った複雑な問題であると思います。

私個人としては早期離職は相性の問題だと考えておりますので、どちらが一方的に悪いというわけではなく新卒社員も会社側も「何かできたことがあったのではないか」と一考の余地がある問題かなと思います。


■ 新卒社員が会社を辞める理由

 会社を辞める理由は人それぞれですので理由自体は人の数だけあります。インターネットの検索結果や私自身や周りの意見などをまとめると、多いものの種類としては下記のようなものが一般的ではないでしょうか。

  1. 人間関係が良くない
  2. 仕事内容が合わない
  3. 求人内容と現実が違う
  4. 長時間労働・休日への不満
  5. 給与や勤務地、福利厚生に不満足である

などなど

 「3.」については採用時に、自社を良く見せようと嘘にならない内容で書いていることが、新卒社員からは「嘘」と捉えられることもあります。この点については私たち会社側が誤解を生まない表現で書くこと、入社後に新入社員から「聞いていない」と意見があるものを記載することで改善することができます。

 「4.」と「5.」については変えにくい点ですので人事ができることは限られてしまいます。

 ですので、「1.」と「2.」について何ができるかを考えてみましょう。

■ 辞める理由「1. 人間関係が良くない」について

.

 

 新卒社員だけではなく転職理由の多くは人間関係と言われています。

 早期離職を決めた学生に話を聞くと、「私の上司は良い人だったのですが、周りの同期の話を聞くと、こんな上司の下では働きたくないと思っている人が多かったです。」と話す人がいます。上司だけではなく先輩や同期との関係、またはお客様との関係が悪いこともあります。

 私が支援した学生の中でカーディーラーに就職をした女性がいました。

 入社後は地元の店舗に配属されましたが、先輩とうまく合わず、いじめのような毎日を過ごしていると、何度も電話で相談に乗ったことがあります。「一方聞いて沙汰するな」と言いますので、100%鵜呑みにするわけにもいきませんが、店長に相談をしても対応してくれない、周りの人たちも自分がいじめに遭いたくないから加担してしまうという小学校や中学校のような出来事が店舗の中では起こっていると感じました。

 ではこういったことに対して人事ができることは何なのか。

 新卒に限って話をするのであれば、この卒業生が私にしてくれたように、悩みを聞いてくれる関係性を周りの先輩や上司、店長が育めるように教育することだと思います。人事から現場に言っても現場は話を聞いてくれない可能性が高いので、役員や営業部長を巻き込むことが肝心だと思われます。

 本人にも(いじめられる)責任があるのではないかと責めてしまうのではなく、まずは話を聞いて状況を理解し、その状況がひどくならないように(告げ口されたと思われ、状況が悪化する恐れがありますので)水面下で人間関係を調査し、必要があれば店舗や配属に介入をする、ひどければ処罰を行うというプロセスを踏まなければ早期離職は新卒社員の忍耐力次第となります。

 忍耐力が強い人を採用したいのはどこの会社も同じで、現在は忍耐力が昔よりもないと言われています。とすれば、新卒社員の忍耐力が強いことを期待するのではなく、忍耐力があまりなくても辞めないようにこちらからフォローする仕組みを作ることが大切なのではないでしょうか。

■ 辞める理由「2. 仕事内容が合わない」について

 仕事内容が合わないことに関しては、合わない理由が様々に考えられます。大別すると「やりたい仕事と違う」か「任された仕事をうまくできない」のどちらかではないでしょうか。

 「やりたい仕事と違う」という場合に人事にできることは、入社前の選考時や、内定承諾後に仕事理解を深めさせることです。「任された仕事をうまくできない」という場合は、職場でのOJTがうまくいっていない可能性が高いと考えられます。そもそも任せている仕事を正しく理解できているのか、どのようなところが苦手なのか、何に困っているのか、そういったところまで職場の先輩や上司、OJT担当者が理解していますか。周囲の先輩や上司が理解できていない時は、OJT研修の見直しや職場環境の見直しが必要になってくるかと思われます。


 

 上記2点の辞める理由は、どちらも職場で新卒を育てるという社風を作ることで早期離職を改善できるかと思われます。

大きく影響するのは普段接している周りの方々で、特にOJT担当を任命して新卒を育てることが重要です。新卒が仕事ができるようにサポートし、仕事に前向きに、職場に不信感や不安を持たずに出社できるようにサポートする体制を現場の方々と協力して作ることが大切です。

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