Withコロナ、afterコロナにおける売れる営業の育成方法とは?
はじめまして。H&innovationの長町です。
BtoBマーケティングと営業を専門にコンサルティングと講師をしています。
コロナ禍で営業も変わりました。リアルで人に会えないし、展示会営業もできない。一方、これまで地元企業のみが顧客だったのを、リモートを活用して全国に顧客拡大し、出張費や営業費用を大幅に削減。企業も多いのです。
時代が変われば、「売る技術」も変わります。ここでは、コロナ禍で鍛えるべきスキルとは何かを考えてみます。
■ 今求められる営業スキルセットとは
とはいえ「売る」ために必要なスキルの本質は変わりません。ただ、対面で会えないため、非対面で価値を伝える前提で、営業上の戦略、戦術、戦闘のやり方を見直す必要があります。
大前提として、図の通り戦略、戦術、戦闘は右に行くに従い下位の概念となります。マネージャー以上が身につけるべきスキルセットは戦略と戦術、営業メンバーは戦術と戦闘が必須でしょう。
コロナで大きく変わったのは戦術の部分。対面での展示会開催や、相談会などが難しいため、WEBマーケティングやインサイドセールス(電話、メール)を重視したフロー設計が必須となります。
最も変わったのは、営業フローを構築するにあたり、異なる様々なスキルが必要になったということ。ただ、現実的にはコンテンツ企画・制作、WEBマーケティング、実地の営業戦闘のすべてを一人でこなせる人はほとんどいません(むしろそれぞれ相反するスキルで、どれか1つがある人は他方のスキルは苦手なことが多い)。ので、適材適所で営業チームを組むことと、育成を同時に行うことがキーとなります。
■ どのスキルを自社人材でまかない、どのスキルを外部人材で調達すべきか
まず迷わず、自社人材を鍛え続けるべきなのが、ロジカルシンキングの分野。これは戦略、戦術、戦闘どのフェイズでも必須。
例えばマーケティング戦略は「誰に、何を、どのように売るか」を明確にするのですが、ここが間違っていると、どんなに戦術、戦闘が素晴らしくても望む成果は出ない。でもここで徹底的に考え抜かれていないケースも実際に多く見受けられます。
研修内容としては、MECEやロジックツリー等基本的なツール活用の修得、ファクト、数字ベースで考える方法を座学で学び、業務で実践し、実際のケースをもとにまた座学する・・・という理論と実践の往復を継続して行うのが最も良いです。
また、基本的なマーケティングはマネージャー以上に、商談の進め方・リモート商談・商談管理等の営業戦闘力、プレゼン、傾聴は営業メンバーにはマスト。ここでも理論と実践の往復が理想的です。
一方で、コンテンツ企画・制作やデジタルマーケティングは、自社でこうしたことが好きで得意な人材を営業チームに加えるのが望ましいですが、そうでない場合は外部のプロの知見を借りながらノウハウを吸収するのが現実的でしょう。
■営業戦闘力を上げる方法
前提として、リモート商談のノウハウは共有しておくべきです。細かいことですが、商談時はリングライトをつける、良いカメラを使う、通信が途切れないよう有線LANで参加する、途切れた時のために複数端末で参加する、商談前に自己紹介資料を送付する&トラブル時用の携帯電話番号をメールしておく・・・といった「リモート商談のお作法」は必須として、組織で共有しておくべきでしょう。
そのうえで、組織として営業力を高めるためには、各階層ごとにそれぞれに研修プログラムを実施するのが望ましいです。
営業戦闘力でいうと、マネージャーには「フィードバックの仕方」「ほめ方・しかり方」、中堅には「マーケティング」や「失敗・成功事例共有会」、新人には「商談の進め方」「商談管理」等です。
これも、実践と座学を行き来させて、習慣化・血肉化するまで継続して行うのが良いと思います。外部講師に最初はお願いして、その後は社内で行う。グロービス等の定額見放題の研修動画サービスもいまは安価でありますので、そうしたサービスを利用するのもよいでしょう。
いかがでしたでしょうか?
「営業力の定義が変わった」といっても、私は「コロナが変えた」というよりは、「コロナ以前から起こっていた変化が早まった」と思っています。
逆風にあらがわず、チャンスとみてとらえると、「リモート商談で、全国に(世界にも)顧客を広げられる!」「移動時間が激減したので、商談を倍にできる」という追い風になります。
ぜひ、これを機会に営業組織をバージョンアップして、成果につなげていきましょう。